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背信者

CAESAR WEB

CAESAR独占取材!衝撃の新事実発覚

Look

Story あらすじ

この世の真実を求めて

300年の歴史を持つ雑誌『CAESAR(カエサル)』は創刊以来、一番の好景気に湧いていた。

未曾有の電子災害「ビッグクラック」により人類が積み上げてきた記録の全てが失われたことで、生ける化石であった雑誌『CAESAR』は突如息を吹き返し、人々の生活になくてはならない娯楽の座に返り咲く。

歴史、アート、ファッション、スポーツ。
戯曲、科学、宗教、それから、ゴシップ。
『CAESAR』が何かを取り上げるたび、世界は躍った。
それが真実かどうかなんて、誰も気にしないのだ。

そんな『CAESAR』編集部に一人の男がいた。
彼の名はクスノキ。
誰もが目の前の情報に踊らされる世界で、
彼は信じられるたったひとつの「真実」を探していたーー。

Message 脚本・演出小御門優一郎

上演に寄せて

演劇を映像で配信するようになって、「フレームによって切り取られる物語」というもの強く意識するようになりました。

カメラの画角から外れたすべての領域が舞台袖であり、奈落で、楽屋でもある。
つまり物語に登場しないバックヤード。
カメラの画角内という可視領域、「舞台」に適切に人物と物を登場させることで、そこに物語があると観ている人たちに信じてもらうという行為が、配信演劇という訳です。

物語そのものも、事象を切り取るフレームと言えます。
一連の出来事のうち、見せたい事象を適切に切り抜き、編集することで作り手が意図した流れ、波を恣意的に受け取り手に体感させるのが物語です。

ここ3年ほど、いろんなことがありました。
私の関わる物語が、「演劇」から「配信演劇」に切り替わったこと。
パンデミックによって、世界の見え方が変わったこと。
「配信演劇」をやっている時、「演劇」に対してどことない後ろめたさを感じていたこと。
フレーム内に意図しないものが写り込むと物語の受け取られ方は微妙に変容するが、それはそれで面白いこと。
私はずっと、面白い物語が作りたいということ。
それらいくつかの要素が結びついた瞬間に生まれたのが、今作『背信者』の物語でございます。

幸いなことに本多劇場という素晴らしい劇場で上演させていただく機会に恵まれました。
劇場の客席で、または配信映像が映し出されたディスプレイの前で、どちらの視点からでも構いません。
皆様にお目見得できますこと、楽しみにしております。

脚本・演出 小御門優一郎

2022/11/18source : CAESAR 11月号20,230,303

CAESAR3月号

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