スクランブル発生! 今度は何が起きている? 宇宙はつねに変化に満ちているし、いつだって射撃訓練所の中だ。たえず11人目がいるようなものだし、スタービーストは暗黒の森林で息をひそめている。それにしてもひどすぎないか、と二等航海士・ユーリは思う。量。このトラブルの量はなんだ。マザーCOMはなぜ答えない。船長はなぜ判断しない。ロボ、三原則いまはいいから。アーム、そんなポッド拾わなくていい。漂流詩人乗ってこなくていい! これどこからのスライム? 石板、いまは進化させていらない! ユーリは白目で歌う。リプリー、あいにくの宇宙ね。ってハモんのやめて。
ごあいさつ
たいへん面白そうなキャストとスタッフで宇宙船ものやります。YouTubeで、アメリカの高校生が「エイリアン」を文化祭で完コピ上演して、喝采を浴びているのを見たのです。劇とはこれだと思いました。アメリカの高校生に負けてられないマジで、と思い、全力でスペースオペラやります。そしてどコメディです。とはいえ宇宙開発なんて冷戦下じゃあるまいし古いかな、と思いきや、最近だとIT界の巨人たちが競ってこの夢をアップデートしてますね。地球がどのくらいもつのかも怪しいですし、そして僕らはつねに未知の中を泳ぐスペースシップみたいなものです。乗り合わせたメンバーとありあわせの装備で、隕石を、漏電を、スタービーストを、やりこなさねばならぬのです。しかもこの先ずっとです。感電するほどの絶望を、せめて歌いましょう。
脚本・演出 上田誠(ヨーロッパ企画)