わんぱく宣言2008/全国こども作文・スピーチコンテスト 公式ホームページ
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わんぱく宣言 2008 テーマ「ありがとう」
優秀賞
(中学生の部)
森下 舞子(もりしたまいこ) 
東京都/東村山市立 東村山第一中学校 3年
『いつかきっと伝える言葉』
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 小学三年生の時の私は、いつも溜息ばかりついていた。学校へ行くと別人みたいに明るく振る舞い、家へ帰ると元の自分に戻るのだ。学校は楽しいが、よく無理をして笑っていた。
母の事を考えると笑えなかった。普通の家庭は父が働き、母が家事をするものだが、私の母は父の役目も熟していた。それは私が小一の二学期から続いていた。……父と母は夫婦ではなくなってしまっていたのだ。『離婚』
の意味を理解できたのも、小三の頃だった。以前までの私は、心のどこかでまた父と母と兄と私の四人家族で暮らせるのではないかと期待していた。だが、そんなことある訳ないと理解できたその時、やっと悲しい、寂しいという感情が心に表れた。その日の夜、私は一人でずっと声を殺して泣き、いつの間にか眠ってしまっていた。この事は誰にも話さなかった。色々な気持ち、一人で悩んでいることは全て心の中に納めて、いつも笑顔でいた。理由は、母の方が何百倍も辛い思いでいると知っていたから。だが、私はそんな母の前で無意識に溜息をつくようになっていたらしく、母は私にこう言った。
「どうしたの?」
と。私は何でもないと言ったが、その瞬間自分でも驚くほど涙が溢れ出した。母がまた同じ質問をしたので、私は大声で同じ答えを言い、母と自分の本当の気持ちから逃げる為に部屋にこもり、自分を落ち付け涙をこらえた。
  こんな苦しい日々を救ってくれたのはこうちゃんだった。母の知り合いらしく、優しくしてもらった。そして母はこうちゃんと再婚した。それからは家族が皆幸せになった。こうちゃんは母だけでなく皆を大切に思ってくれている。それは充分に伝わってくるのだが、どうしても少しぶっきらぼうな態度をとってしまう。そして一度も、私はこうちゃんの前で「お父さん」と呼んだことがない。だからこうちゃんは息子と娘に嫌われていると感じることもあると思う。母もそのことで注意してくる。少しぎこちない家族だけど、母とこうちゃんの間に産まれた弟も含めて五人で毎日楽しくやっていけている。言葉で、口に出して感謝の気持ちを伝えたり、「お父さん」と呼んだりすることはまだできないけど、そういう年頃だということにしておいてほしい。私がもっと身体も心も大きくなって、強くなった頃、いつかきっと伝えるから。

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